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ホレス・シルヴァー/ファーザー・エクスプロレイションズ

JAZZ others 1

2005年01月16日

further_explorations.jpeg Horace Silver/ Further Explorations

 今日はホレス・シルヴァーのブルーノート5作目のアルバム、ファーザー・エクスプロレイションズです。シルヴァーの親しみやすいファンキー・ジャズの典型的アルバムです。パーソネルは、アート・ファーマー(p)、クリフ・ジョーダン(ts)、ホレス・シルヴァー(p)、テディ・コティック(b)、ルイス・ヘイズ(ds)。1958年録音。BlueNote 1589。

 ホレス・シルヴァーのアルバム名はその多くが何やら意味深ですね。本作も「未来への探求」です(ちなみにビル・エヴァンスにも名作Explorations(61年)がありますね)。1曲目に変則調があるなど新しい試みがあるとのことですが素人が聞いて楽しむ分には全く問題になりません。いずれの曲も愛すべきものがあり、全体的にすでに定番になりつつあるハードバップ~ファンキー路線のシルヴァー節が全回の作品に仕上がっているといえるでしょう。その意味で本作はまさに安心して浸ることのできる代表的な50年代ファンキージャズそのものです。

 56年にアート・ブレイキーと袂を分けたシルヴァーは若手ジャズマンを起用して自分のグループで活動を起こします。本作は前作「ザ・スタイリング・オブ・シルヴァー」(57年)からtsのハンク・モブレイがクリフ・ジョーダンに交代した以外は同一メンバーでの録音です。演奏形式の基本は、まずシルヴァー作の魅力あるテーマをアンサンブルで示し、そのあと各ソロでつないでゆくという典型的なモダン・ジャズのパターンなのですが、なぜかシルヴァー節というか独特の音世界が醸し出されるのですね。それは曲調にもよると思うのですが、やはりアレンジの特徴なのだろうと思います。

 全6曲。1や4などにはシルヴァーの音楽とすぐにわかる個性的な雰囲気がありますね。ミディアム・テンポのキュートな曲調と、適切に処理する安定なアート・ファーマーのtpが光っています。シルヴァーのアーシーなソロも随所で聞かれます。まさに完成されたハードバップがここにあります。この後すぐ60年代に入るとすべてオールドファッションになってしまうほどモダンジャズの潮流が急速に変化してゆくのですが、本作の録音された58年はシルヴァー達の思惑とは別にもう後戻りできない胎動が始まりつつあるのでした。

1.ジ・アウトロー
2.メランコリー・ムード
3.ピラミッド
4.ムーン・レイズ
5.サファリ
6.イル・ウィンド

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