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チャールズ・ミンガス/メキシコの想い出
JAZZ others 1
2005年03月02日
Charles Mingus / Tijuana Moods
今日はチャールズ・ミンガスの『メキシコの想い出』です。ミンガスのベースが大活躍してメキシコ風の哀感が漂う、ミンガス・ミュージックの多面的な魅力を余すところなく伝える好アルバムです。パーソネルは、クラレンス・ショウ(tp)、ジミー・ネッパー(tb)、カーティス・ポーター(as)、ビル・トリグリア(p)、チャーリー・ミンガス(b)、ダニー・リッチモンド(ds)、他。1957年NY録音。
チャーリー・ミンガスのベースは自己主張が強くアクのあるものながら音楽的には大変魅力がありますね。そしてそのグループ音楽は小さなエリントン楽団のような色彩感のある個性的なサウンドを生み出します。『直立猿人』、『道化師』の名盤2枚に次いで3作目となる本作はやはりスモール・コンボながら立体的なミンガス・オーケストラ・サウンドを形作っている力作です。
特に、全体にメキシカン風の叙情的な香りがありとても馴染みやすい作品に仕上がっています。ミンガスのベースを基点にして全体の流れが自在にダイナミックに動き、時にスリルのある瞬間があり、もちろんインプロヴィゼーションの醍醐味や、また時には哀愁ただよう優しいメロディもありと、ミンガス・ジャズのエッセンスが凝集されているアルバムだと思います。
私にとりましてもミンガスの数多くのアルバムの中でミンガスの優れた美学を感じることができてとりわけ愛着のある1枚です。特に10分を越す2や4の2曲での全体的構築美とミンガス軍団のジャズ・フィーリングにはいつもながら味わい深い魅力を聞き取ります。また、スタンダードの5.フラミンゴという曲をこのアルバムで初めて聴いたのですが、この曲の素敵なメロディとミンガスの解釈がとても気に入っています。
また、クラレンス・ショウやジミーネッパーが大活躍ですし、カーティス・ポーターという聞きなれない名だけれど私のお気に入りのアルト奏者もなかなかよいソロを随所で聞かせてくれます。ミンガスの作品は常にサックスが鍵を握ると私は密かに踏んでいるのですが、本作が味のある作品になっているとすればそれはポーターが及第点をクリアーしていることを意味しているのだと思います。ちなみにこのポーターは後にシャフィ・ハディの名でクレジットされることになるアルトと同一人物とのこと。
1. Dizzy Mood (5:45)
2. Ysabel's Table (10:26)
3. Tijuana Gift Shop (3:43)
4. LosMariachis (10:14)
5. Flamingo (5:26)
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投稿者 Jazz Blogger T : 23:36 | トラックバック
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