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ジャズ・メッセンジャーズ/パリ・オリンピアコンサート1958

JAZZ others 1

2004年08月23日

B000065E98.09.LZZZZZZZ.jpegパリ・オリンピア・コンサート1958/アート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズ 定価: 1,835円 (税込)

 こんにちは。今日は1枚のジャズCDを紹介したいと思います。ジャズ・メッセンジャーズというグループをご存知の方も多いと思います。私今でこそジャズがとても好きなのですが、その最初の第一歩がこのCD、厳密にはレコード、というわけです。高校生くらいまでは音楽大好き小僧でありながらあまりジャズの良さが理解できませんでした。大学に入った夏頃だと思いますが、アルバイトをして自由になるお金で大阪日本橋のワルツ堂の中古レコードコーナーでこのレコードを買ったと記憶しています。モーニンという曲は何となく知っていまして親近感があったのでしょう。このレコードの中のウィスパー・ノットやI Remenber Cliffordらの綺麗な親しみやすいメロディー曲の、リー・モーガンのわかりやすいtp(トランペット)のアドリブ・ソロを繰り返し聞くうちに少しづつジャズの良さが分かってくるのでした。べニー・ゴルソンts(テナーサックス)、ボビー・ティモンズp(ピアノ)、アート・ブレイキーds(ドラムス)。

 リーダーのアート・ブレイキーはホレス・シルバーと別れて以降、若手を発掘しながらジャズ・メッセンジャーズを更新してゆきます。1958年はハード・バップが全盛の時ですが、3次となるJMとして10月にブルーノートに有名な"モーニン"を録音し、11~12月はヨーロッパツアー。このCDは11月パリのオリンピア劇場でのライブ録音、12月にはクラブ・サンジェルマンでの有名な録音があります。その間映画「殺られる」のサントラも録音という、大変な売れっ子ぶりです。当時パリではジャズが新しい音楽として大衆に受け入れられ流行していました。ファンキー・ジャズとも呼ばれた当時のハード・バップは名ソロ・プレイヤー達に支えられていたわけですが、リー・モーガンは24歳で夭逝した天才クリフォード・ブラウン亡きあとのポスト・ブラウンとして嘱望されたトランペッターでした。しかし同じ58年"カインド・オブ・ブルー"などマイルス・デイビスやビル・エバンスらによるモード・ジャズが出現し60年代にはフリージャズなどの多様化の波にもさらされ、ハードバップはすぐに陳腐化して限界に追いやられるということになります。この58年は50年くらいからのビバップやハードバップの流れの短いながらも全盛時であったといえるでしょう。
 ただ、そういう歴史的な流れは別にして、ハードバップの良さは変わるものではありません。ジャズ喫茶などにゆきますといまだにブルーノートのこれぞハードバップというレコードこそが人気なのです。曲名が変わってもコード進行だけが違う、アドリブソロの個人芸に依存するスタイルには発展性がないのです。が、心地よく聴けるという点ではそれはそれでよろしいというわけですね。
 ジャズはアドリブ=インプロビゼーションがすべてというのはアドリブのところで個性が出るということです。従い、聴く側は演奏者・プレイヤーで聴くわけで、曲目ではないのですよ。誰が演奏しているかの方がなんという曲を演奏するかということより本質的なわけです。
 このJMのレコードでジャズの良さに開眼した後、私は中古レコードを買い漁ることになるのですが、もちろん演奏者主体にだれそれのもっとよいソロの聴けるレコードは○○らしいという情報をインプットしておき、いくつもの中古レコード屋を俳諧するというわけです。私がラッキーだったのはこのJMのレコードに運良く接することができたことです。とっつきやすい、わかりやすい、です。ジャズはまだこれからという方にお勧めです。やはり30代前半で夭逝したリー・モーガンのウィスパーノットをぜひご賞味あれ。


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