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戦場のピアニスト/ロマン・ポランスキー

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2004年11月08日

戦場のピアニスト/ロマン・ポランスキー戦場のピアニスト/ロマン・ポランスキー

 こんにちは。今日はポランスキーの名作「戦場のピアニスト」です。たった今約2時間半のDVDを見終わったばかりです。感動の名画でした。ショパンのピアノ曲が全編に流れます。2002年カンヌ映画祭パルムドール(最優秀作品賞)受賞。

 第2次世界大戦をポーランドで奇跡的に生き抜いたユダヤ人ピアニストの伝記を忠実に映像化した美しい映画です。ポランスキー監督も幼少時代に強制収容所で母を亡くし自身は脱走するという同様の壮絶な経験を持っています。

 まず、この映画、その映像がどの場面を見ても美しいというのが最初の10分くらいで感じることです。光と影の陰影、奥行を映す立体感、各映像の構図などがいずれも印象的です。丁寧に丁寧に精魂込めて手作りで作り上げられた感があります。「水の中のナイフ」のあのモノクロでセリフの少ない詩のような映像は忘れがたいものがありますが、ポランスキー監督の美意識には大いに共感できるというものです。「反撥」や「チャイナタウン」、「テス」などにも底流にはそうした耽美的感覚が流れていたように思います。

 それに、ショパンのピアノ曲がやっぱとてもよいのですね。一番よかった演奏は、ドイツ人将校の前で震えながら弾いた「バラード第1番」です。あの震えは、長い間弾きたくても弾けなかったピアノを思う存分に弾けたという感動の震えだと私は思うのですね。演奏後に殺されるかもしれないという恐れからではなく、死ぬまでにもう一度だけピアノを思い切り弾きたかったその望みがやっと実ったという震えではなかったかと思うのです。幸いその将校に助けられ、食べ物も密かに分けてもらって生き延びることができるのですがね。このバラード1番は若い頃から何度も聴いてきた私にとっては馴染みの曲なのですが今回また断然好きになりました。

投稿者 Jazz Blogger T : 10:48 | トラックバック

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