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マリア・ジョアン・ピリス/ショパン夜想曲集

_Classic

2011年04月18日

pires_chopin_nocturnes Maria Joao Pires / Chopin The Nocturnes

 今日はマリア・ジョアン・ピリスの弾くショパン夜想曲集です。マリア・ジョアン・ピリスはポルトガル出身で現代を代表するピアニストの一人。彼女の奏でるショパンはしっとりと情緒深く丁寧で細やか、その美音の連なりに心も身体も癒されます。パーソネルは、マリア・ジョアン・ピリス(p)。1995&96年録音。独グラモフォン。

 ショパンの夜想曲は2番や5番、8番などが著名ですね。その夢見るようなメロディーにはうっとりさせられます。ピリスのピアノは本当に優しくゆったりとした語り口で限りなくロマンティックな世界に誘(いざな)ってくれます。そしてさらにそのピアノ音がまた堪らなくよい録音なのですが、私はピアノの音が一定レベル以上でないとダメなタイプであり、もっと言えば美音であれば点数が甘くなってしまうのかもしれません。

 これまで、ショパンの夜想曲集では、ルービンシュタイン、アシュケナージ、フー・ツォン、クラウディオ・アラウ、マガロフ、フランソワ、ピリス、バレンボイムらの演奏を聴いてきましたが、その中ではピリス、アラウ、マガロフらの演奏が好みで、特にピリスとアラウの演奏が大好きです。ピリスは情念が入りすぎているというか、オーバー気味なその表現に食傷する向きもあるかもしれませんが、私の場合はこれくらいが丁度いい具合です。淡々とさらりと弾き流すことで、逆にその曲の持つ本来のロマンを引き出させるケースもあるのでしょうが、内省的な曲調のショパン夜想曲はある程度の感情移入がより好ましいように思われます。

 マリア・ジョアン・ピリスさんは1944年ポルトガル出身の女流ピアニスト。本作で『レコード芸術』誌の1996年レコード・アカデミー大賞を受賞。女性らしい柔らかい感性としっとりしたセンスが日本人の私の心に沁み込みます。モーツアルトのソナタや協奏曲の演奏が名高く有名ですね。また、グールドやリヒテルらもそうですが、YAMAHAのピアノを弾く名手としても知られています。以下、YAMAHAのHPからの引用です。まさにその通りと同感できる文章であり、ピリスさんのピアノがなぜ素敵なのかが少し理解できます。

『ポルトガル出身のピアニスト、マリア・ジョアン・ピリスは、とても素朴で真摯で温かい心をもった人である。彼女は「音楽は神への奉仕」と考えている。それゆえ、作品に余分な解釈を付け加えたり、余計な装飾を加えることはいっさいしない。作曲家が意図したものをひたすら追求して楽譜を深く読み込み、自らのテクニックと表現力を磨き上げ、作品の内奥へと迫っていく。だからだろうか、ピリスの演奏はいつ聴いても心に深く響いてくる。神に奉仕しているピリスのかたわらで頭を垂れ、ひざまづき、全身全霊で音楽を聴き、また、祈りを捧げているような気分になるのである。そして終演後は、心が浄化したような思いを抱き、脳が活性化したような気分になる。』
(引用元はこちら→マリア・ジョアン・ピリスさん

 そんなピリスさんの演奏をYouTubeで探して見ましたらショパン夜想曲1番の映像がありましたのでここにアップしておきましょう。

 本CDの詳しい情報はアマゾンでどうぞ。
Maria Joao Pires / Chopin The Nocturnes

投稿者 Jazz Blogger T : 21:11 | トラックバック

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