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スコット・バークン/イノベーションの神話

_books (business&life)

2011年04月23日

scott_berkun_inovation イノベーションの神話 / Scott Berkun

 今日は最近個人的に興味を持っているイノベーション関係から書籍を一つ。著者のスコット・バークンはマイクロソフトに約5年勤めてプロジェクトを率いた人。現実を踏まえてイノベーションにまつわる神話と思える話題を提供しています。過去のイノベーションの例示の多さに説得力を感じます。2007年。

 筆者はマイクロソフト社に5年間在籍しインターネット・エクスプローラーの開発などプロジェクト・リーダーとして活躍した後、文筆業に転進し、自らの経験を元に綴った「アート・オブ・プロジェクトマネジメント」が著名。本書は第2作目に当たる。
 印象に残ったのは、9章の記載。問題の解決策よりも問題の発見やその枠組み作りが重要であるという指摘。錬金術という答えのない課題の解決に無駄な時間を費やしたアイザック・ニュートンの例や、エジソンが電球の発明で有名になったのは、電球自体の発明によるのではなく、問題の枠組みを「私の電球が採用されて普及するように電気の配送システムを街に張り巡らせること」と定義したことにあるとしています。彼の発明哲学が1%のひらめきと99%の努力であるというのは、自ら取り組むべき問題を適切に選択できる、すなわち問題の枠組み作りの部分さえ頭でひらめくことができれば、あとは努力と時間の問題であるという不遜なまでの確信とか自信を意味していたのかもしれません。
 豊富な例を示して説得力があります。問題の枠組みを作り出すには重要な目標を選び出すことが近道であり、目標を簡潔に表現することが肝要であることも例を示しながら主張しています。


まえがき
1章 ひらめきの神話
2章 神話:私たちはイノベーションの歴史を理解している
3章 神話:イノベーションを生み出す方法は存在する
4章 神話:人は新しいアイデアを好む
5章 神話:たった一人の発案者
6章 神話:優れたアイデアは見つけづらい
7章 神話:上司はイノベーションについてあなたより詳しい
8章 神話:最も優れたアイデアが生き残る
9章 神話:解決策こそが重要である
10章 神話:イノベーションは常によいものをもたらす
付録 参考文献と参考資料


詳しくはアマゾンでどうぞ。→ イノベーションの神話 / Scott Berkun

関連エントリはこちらから。
 →イノベーション・マネジメント入門

投稿者 Jazz Blogger T : 00:02 | トラックバック

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