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ゲルギエフ/チャイコフスキー交響曲第6番「悲愴」

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2005年03月12日

tchaikovsky no6.jpeg V.Gergiev/Tchaikovsky Symphony No.6

 今日は話題の指揮者ゲルギエフのチャイコフスキー「悲愴」のことを書いてみたいと思います。チャイコフスキーの交響曲や管弦楽曲はこれまで結構好んで聞いていますが、このゲルギエフの演奏はロシアの大地を思わせるようなスケールとエネルギーを感じさせる凄い演奏です。キーロフ歌劇場管弦楽団、1997年7月録音。幻想序曲「ロメオとジュリエット」も収録。

 チャイコフスキーの音楽は美しいメロディと豊かな情感があって取っ付きがよいですから、ポピュラーを聞くような感覚で中学生の頃から長く付き合ってきました。交響曲4~6番やバレエ音楽、管弦楽曲などは日常的に好んで聞いています。その中でこのゲルギエフという指揮者のこのチャイコフスキー悲愴は最近特によく聴いています。

 ゲルギエフは1953年生まれ1988年よりキーロフ・オペラの音楽監督となり近年はウィーン・フィルの主席指揮者として現在最も活躍している指揮者の一人です。昨年2004年11月にはウィーン・フィルとの来日公演を果たしたばかりでご存知の方も多いと思います。

 チャイコフスキーの音楽といいますと通常は繊細な色彩感と浪漫的な香りがその魅力の中心になるのですが、このゲルギエフとキーロフ劇場管の演奏にはさらに生命力に満ち溢れた力強さとパッションが感じられます。オーケストラが一丸となって壮大な構造物を築き上げるようなダイナミズムといったものを感じるのです。チャイコフスキーの音楽に意外な魅力を感じ取ることができるというわけで、音楽を聞く楽しみのひとつはこういう予想外の遭遇にあるのかもしれません。

 まず第1楽章でその異様なほどのエネルギーを感じ取ることができます。劇的な中に美しい第2主題が荘厳な輝きを放っています。第2楽章のロシア的な濃厚で陰鬱な雰囲気もいいですが、第3楽章スケルツォの圧倒的な躍動感には脱帽です。第4楽章の深い闇の底を思わせる悲しみにもやはり内に秘めた膨大な力がみなぎっていることを感じます。全体を通じて一環して持続する緊張とやり場のなり情念の発露とを感じさせます。そして聞き終わったあとに残る心地よい余韻はまさに満足な芸術体験でのみ得られる充足感に違いありません。

 同時に収録されている幻想序曲「ロメオとジュリエット」は私の大好きな曲です。こちらも同様に素晴らしい内容です。魂の声を聞くような劇的で美しい音楽です。これは病みつきになる類の音楽ですね。

チャイコフスキー交響曲第6番「悲愴」
 第1楽章 アダージョ~アレグロ・ノン・トロッポ
 第2楽章 アレグロ・コン・グラツィア
 第3楽章 アレグロ・モルト・ヴィヴァーチェ
 第4楽章 アダージョ・ラメント
チャイコフスキー幻想序曲「ロメオとジュリエット」

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投稿者 Jazz Blogger T : 10:14 | トラックバック

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