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キャリー・マリス/マリス博士の奇想天外な人生

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2005年02月21日

mullis.jpgマリス博士の奇想天外な人生
キャリー・マリス (著), 福岡 伸 (翻訳)

早川書房 (2000/02)

 一般に使用されるDNA鑑定や映画ジュラシックパークで恐竜の化石のDNA断片から恐竜を蘇らせるといったSFまで、PCR法という今ではどこのラボにでもあるDNAコピー機をベンチャー企業で発明した、自称女好きサーファーLSD愛好者のノーベル賞受賞者の自伝的書。

 2001年~2003年の3年間で4人の日本人がノーベル賞を受賞されたことは記憶に新しいですね。おかげでノーベル賞が大変親近感のある身近なものとなりました。ノーベル賞についてあまりに過剰に反応する日本のマスコミはある意味で科学後進国を象徴するものといえましょう。

 日本では他の先進国に比べて一般人の科学に対する理解が低いと言われています。一般大衆がサイエンスに興味を持って日常的な身近なところでそうしたものに関心があるということが少ないということです。これは科学が文化として定着していないということを意味しています。

 欧米のノーベル賞受賞者は多種多彩といえましょう。日本のように受賞によって全人格や処遇含めて、生活が一変するという風潮はあまりありません。田中耕一さんの場合は特にノーマークだったということで典型的なものでした。

 今日ご紹介しているマリス博士の本では、バイオ関連の画期的な基盤技術の一つを発明した著者が、自身について、そしてその発見の経緯や考え方などを赤裸々に披露されています。今の日本では考えにくいことです。ノーベル賞を取った偉人がどこにでもいるごく普通のちょっと風変わりな生活者であることがわかります。理系文系問わず普通の読者や学生さんが読める啓蒙的なお勧めの本でしょう。科学・サイエンスを、そして科学者・サイエンティストをより身近なものとする一助になるものと思います。

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投稿者 Jazz Blogger T : 18:33 | トラックバック

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