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カサンドラ・ウィルソン/テネシー・ワルツ

JAZZ Vocal

2005年03月21日

rendezvous.jpeg Cassandra Wilson/ Rendezvous

 今日はカサンドラ・ウィルソンとジャッキー・テラソンの傑作共演アルバムです。共にブルー・ノート3作目。パーソネルは、カサンドラ・ウィルソン(vo)、ジャッキー・テラソン(p,elp)、ロニー・ブラキシコ(b)、ミノ・シネル(perc)、ケニー・デイヴィス(ds)。1997年NY録音。BlueNote。

 カサンドラ・ウィルソンは本ブログでもご紹介した前作『ニュー・ムーン・ドーター』でグラミー賞受賞。本作はそれまでの2作とは趣の異なるよりジャズっぽいスタンダード集です。ジャッキー・テラソンのピアノの素晴らしさが光ります。2や5ではカサンドラ抜きのピアノ演奏でして、これが何とも形容が付かない、素晴らしい演奏です。

 テラソンは93年のモンク・コンペティション優勝で注目を浴びた気鋭のピアニスト、ブラッド・メルドーに先を越された感はあるもののその実力は折り紙付きの圧倒的なものです。カサンドラ・ウィルソンとのデュエットのような本作では本来の感性が全回しており、高い音楽性とジャズ・センスがお互いに火花を散らすような刺激的な緊張感のあるアルバムに仕上がっていると思います。

 ジャズ密度が濃い、そんな印象です。1.Old Devil Moonや8. I Remember You、それに、9. Tea For Twoを聞きますとカサンドラの現代ヴォーカルの粋をいやというほどに感じさせられます。凄いなあと。味のある歌。お勧めの1曲目Old Devil Moonなどはアニタ・オデイやメル・トーメの名唱と全く違うまさにカサンドラ的世界観ですね。テラソンも負けじと哲学的な知的なソロを繰り広げています。とても深いものがあります。このアルバムは静寂の中にほのかに漂いながら燃えるジャズ炎の鮮やかな濃赤紫色の閃光のようです。

 ジャズ通を唸らせる、そんな豊穣感のあるアルバム。じっくりと味わうべき深遠な世界です。プロが密かに聞く類のいわゆる大人のための音楽かもしれません。最上級の賛辞を惜しみなく送りたいですね。それにしてもテラソンのピアノをもっと聞きたくなります。カサンドラは常にこの水準ですが、テラソンの音楽はもっと深く知るべき堪能すべきと思わせてくれる内容です。

1. Old Devil Moon
2. Chan's Song
3. Tennessee Waltz
4. Little Boy Lost
5. Autumn Leaves
6. It Might As Well Be Spring dia
7. My Ship
8. I Remember You
9. Tea For Two
10. If Ever I Would Leave You
11. Chicago 1987
12. Come Rain or Come Shine
13. Medieval Blues

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