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ポール・デスモンド/ファースト・プレイス・アゲイン

JAZZ Sax 2

2005年05月15日

first place again.jpg Paul Desmond / First Place Again

 今日はポール・デスモンドの渋い名作『ファースト・プレイス・アゲイン』です。デスモンドはご存知デイブ・ブルーベック・カルテットのアルト・サックス奏者。名曲「テイク・ファイブ」の作曲者でもありますね。本作はピアノレスのギター・トリオをバックに最上級の寛ぎとイマジネーションに溢れる名演奏なのです。パーソネルは、ポール・デスモンド(as)、ジム・ホール(g)、パーシー・ヒース(b)、コニー・ケイ(ds)。1959年録音。

 ポール・デスモンドを無性に聞きたくなる夜があるのです。そのクールながら心地よいアドリブに身を委ねていますと本当にじんわりと寛ぎタイムが静かに流れてゆくのですね。本作はデスモンド同様に渋くてクールなジム・ホールとの共演ということで一層に期待が持てるのです。実際のところ、ブルーベックと演るよりもこうしたギターとの組み合わせは最高と思えるのです。デスモンドの奏でる美しい音色と横溢するアドリンブ・プレイはもう独壇場です。ジム・ホールのあっさりとしたコードやアクセントが否が応でもデスモンドのソロを盛り立てるのですね。

 やはり私はポール・デスモンドの美学に深く共鳴できるのです。デスモンドが一音でもその憂いのあるアルト音を吹けばそこには一種独特の世界が醸しだされます。そして数音の音が響き渡るだけでポール・デスモンドと即座に分かるのですね。それくらい圧倒的な音楽性とテクニック、まさにアルトを吹くためる生れてきたようなと形容したくなりますね。こういうプロ中のプロが私は好きなのです。自分の分をわきまえて期待された役割をきっちりこなすという。

 全7曲。ジム・ホールがしっかり締めています。そのジャズ・フィーリングが素晴らしい。間違いなくこの二人のこの組み合わせは最高の成果を生んでいると言えるでしょう。きわめてクールだけれど、聞く側を内側からほのかにホットにしてくれる素敵な演奏。スイング・ジャーナル誌選定ゴールド・ディスク。その価値は十分にあります。このアルバムはその魅力に取り付かれると恐らく病み付きになる類です。ポール・デスモンドは駄作が見当たらないくらいに常に高水準の演奏を残していますが、本作はそれらの中でも最上位に位置する会心の作だと思います。

1. I Get A Kick Out Of You
2. For All We Know
3. Two Degree East, Three Degree West 
4. Greensleaves
5. You Go To My Head
6. East Of The Sun
7. Time After Time


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