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リニー・ロスネス/レター・トゥ・ビル・エヴァンス

JAZZ Piano 2

2005年03月16日

letter_to_bill_evans.jpeg Renee Rosnes/ レター・トゥ・ビル・エヴァンス

 今日は女流ピアニスト、リニー・ロスネスの登場です。ロスネスはアイルランド人の父とインド人の母の間にカナダで生まれたリリカルなピアノで定評のある現代を代表するピアニストの一人です。パーソネルは、リニー・ロスネス(p)、ビリー・ドラモンド(b)、レイ・ドラモンド(ds)。2000年録音。

 うーん、この粘り気のあるフレージングがいいですね~。エヴァンスの後にエヴァンス系とひとくくりにされて呼ばれたピアニスト達が多勢いますが、この粘り気はなかなか真似できないんですよね。エヴァンスが猫背にしてピアノにへばりつくように"うらめしや~"の格好で弾くピアノには独特の美学があるわけですが、その一つがこの音の連なりの糸を引くような異様とも思える粘着質な響きだと思うのです。そして、この洗練された粘着タッチを生来持ち合わせているピアニストはそうそういない、そうこのリニー・ロスネスとデニーザイトリンくらいかなと思うのでございます。勿論、他の要素が一定の水準を満たしているという前提ではあります。

 リニー・ロスネスのピアノには味があります。"コク"があります。このコクこそエヴァンスが示してみせた特有の粘りっ気です。コープや生協の納豆でなくてわらに包まれた水戸納豆の粘着ぐあいです。絡み付いて容易には拭いとれないしつこい類ですね。しかも臭いが残るような。実は私こういうのが大好きなんです。さそり座生まれというのがどこまで関係しているのか知らないですし、あまり信じてはいませんが、執念深い、情念、といった臭いを不思議と敏感に我が体臭のように身近にかつ好ましく感じ取れるのですね。

 というわけで、美形女流ピアニスト、リニー・ロスネスがビル・エヴァンスへの手紙と題して作ったピアノ・トリオ・アルバム、これはとてもいい感じなのです。決して"カワイコちゃん"を売りにしてはいません。音だけで勝負できる、明らかに最高水準の実力派ピアニストです。エヴァンス好きには納得の内容です。全9曲。エヴァンスの初期のバラッドの名演をロスネス風に分かりやすくリリカルに示しています。今晩はこのロスネスと二人してインドとアイルランドへ旅をするそんな夢を見そうだな(笑)。

ReneeRosnes.jpeg1. あなたと夜と音楽と
2. マイ・ロマンス
3. パ・ドゥ・トロワ
4. トゥ・ヤング・トゥ・ゴー・ステディ
5. エミリー
6. アイ・ヒア・ア・ラプソディ
7. ハウンテッド・ハート
8. ハウ・マイ・ハート・シングス
9. 帰ってくれたら嬉しいわ


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