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ドン・フリードマン/サークル・ワルツ

JAZZ Piano 1

2004年12月10日

ドン・フリードマン/サークル・ワルツ Don Friedman / Cirlcle Waltz

 こんにちは。今日はドン・フリードマンです。サークル・ワルツはエヴァンス系の耽美的ピアノ・ジャズの名盤です。パーソネルは、ドン・フリードマン(p)、チャック・イスラエル(b)、ピート・ラロッカ(ds)。1962年録音。Riverside レーベル。

 このアルバム、結構聴く機会が多いです。少しあっさり味なのですね。アクが強くないというか。エヴァンス愛聴者にとってはその差は歴然としています。エヴァンスにはハーモニック・センスに新しいアプローチを示そうとする鋭角的なもの、また深みのある内省感とでも呼べるようなものが感じられますが、フリードマンのピアノはそうした精神性や独創性が少し希薄です。

 5.LOVES PARTING が特にお気に入り。ゆったりとした美しいピアニズムがいいですね。エヴァンスにそっくりですが微妙に淡白な味わいが私は好きです。4.IN YOUR OWN SWEET WAY も同様に淡い色の漂泊感が素敵です。1.CIRCLE WALTZ と 3.I HEAR A RHAPSODY はともにミディアム・テンポの魅力ある演奏です。適度にスウィングしながらかつ叙情感が漂っています。私の場合本当のところこういう演奏が大好きなのです。ピアノの心地よい音の連なりが流麗に流れてゆく感覚です。時の経過を忘れます。

 2.SEA'S BREEZE と7.MODES PIVOTING はアップ・テンポの演奏。エヴァンスとの個性の違いはもう明白です。ちょいと心もとないところもあるピアノだけれどその潜在的なジャズ・スピリットを感じて好感の持てる演奏です。6.SO IN LOVE も興味ある演奏です。昔の淀川長治さんの「日曜洋画劇場」でおなじみの美しいメロディですが、途中から曲調ががらりと変わってアップテンポとなります。そういえばハンプトン・ホ-ズも同様におもしろい演奏を残していますね。
 
 ドン・フリードマンは一時、ビル・エヴァンス・トリオのベーシスト、スコット・ラファロと同居していたとのことで、おそらくエヴァンス圏の内側にいてもろに影響を受けたのだろうと推察されますが、その才は確かなもので、エヴァンスがもしこの世に存在しなくともフリードマンはやはり耽美的な美しいピアノを弾いていたに違いないと思います。

1.CIRCLE WALTZ 2.SEA'S BREEZE 3.I HEAR A RHAPSODY 4.IN YOUR OWN SWEET WAY 5.LOVES PARTING 6.SO IN LOVE 7.MODES PIVOTING

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投稿者 Jazz Blogger T : 21:12 | トラックバック

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