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ポール・チェンバース/ベース・オン・トップ

JAZZ others 2

2005年05月21日

bass_on_top.jpeg Paul Chambers / Bass on Top

 今日はポール・チェンバースのリーダー作で人気盤『ベース・オン・トップ』です。ブルーノートに3作目の本作はケニー・バレルを迎えての渋い一枚に仕上がっています。パーソネルは、ケニー・バレル(g)、ハンク・ジョーンズ(p)、ポール・チェンバース(b)、アート・テイラー(ds)。1957年録音。BlueNote1569。

 ポール・チェンバース(1935~69)は、本ブログではリーダー作紹介が今回初めてにもかかわらず間違いなく隠れた常連さんなのです。ページの左上の方にサイト内検索というものがあり、私自身もそれを用いてよく調べるのですが、ポール・チェンバースと入力しますと現在22の検索結果が出ます。この記事をアップすれば当然一つ増えて23になっていると思いますが、ビル・エヴァンス24、マイルス・デイヴィス23と並んで、ほぼトップ・クラスというわけですね。

 意外な結果ではありますが、本ブログは50年代と60年代のメインストリーム・ジャズを中心に扱っていることから、さもありなんという結果だと思われます。55年の20才の頃にマイルス・デイヴィスのレギュラー・リズム隊に加わり、その後、数多くのレコード録音に参加して、69年というモダン・ジャズの全盛期が終わりかける時期に亡くなっていますので、50年代半ばから60年代のモダン・ジャズ最盛期に大活躍しているのですね。まさにモダン・ジャズ・ベースの申し子のような存在なのだと思うのですね。

 ふだんは地味な役回りに終止するところをしっかりとリーダーシップを発揮しています。BlueNote第1作『Whims of Chambers』(BN1534)の2曲ですでにケニー・バレルらとのカルテット演奏を吹き込んでおり、本作はその延長にあることが明らかではあります。彼としてはこれくらいのホーンレスの小コンボが丁度ほどよく自らを主張できてしかも全体を支配できるという意味では適しているのだと思われます。ミンガスのように小エリントン楽団を想起させるほどの色濃い音楽性を示すタイプでもないですからね。

 全6曲。普通より少しだけベースがクローズアップされた、心地良い典型的なハード・バップ・サウンドなのです。ケニー・バレルのブルージーでアーシーなギターが実に良い具合です。ハンク・ジョーンズの落ち着いた端正なピアノも、バレルとチェンバースとの組み合わせにピッタリの感じがします。曲目では、4.Dear Old Stockholmがお好みの演奏です。マイルス楽団でのおなじみの名演が同種の趣きを放ちつつも、より沈静したいぶし銀の輝きを感じさせます。それに2.You'd Be So Nice To Come Home Toがいですね。長いチェンバースのピチカート・ソロの後、満を持してバレルが登場してくる辺りにはジャズ・フィーリングの醍醐味がありますね。ただ、1.Yesterdaysでのチェンバースのアルコ(弓弾き)にはちょっと身を引きますが(笑)。

1. Yesterdays
2. You'd Be So Nice To Come Home To
3. Chasin' The Bird
4. Dear Old Stockholm
5. Theme
6. Confessin'

詳しくはアマゾンでどうぞ。→ Paul Chambers / Bass on Top


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投稿者 Jazz Blogger T : 09:33 | トラックバック

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