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ジェシ・ヴァン・ルーラー/ライブ・アット・マーフィーズ・ロウ

JAZZ Guitar 1

2011年12月22日

van_Ruller_Murphy's Jesse van Ruller / Live at Murphy's Law

 今夜はお気に入りのジャズ・ギタリストのジェシ・ヴァン・ルーラーですね。トリオ演奏のライブ盤。最高に渋いジャズ。ギター・トリオでのライブ演奏がジェシの実力からすると最もフィットしていると思います。パーソネルは、ジェシ・ヴァン・ルーラー (g)、フランツ・ヴァン・デル・ホーヴェン(b)、マタイン・ヴィンク(ds)、ヨス・マクテル(b)、ヨースト・ヴァン・サイク(ds)。2004年オランダ・ハーグ録音。55 Records。

 ジェシ・ヴァン・ルーラーは私にとって最もお好みのジャズ・ギタリスト。昨年ご紹介した「ヨーロピアン・クィンテット」は1994年録音のデビュー盤ですね。若手ジャズマンの登竜門として著名なセロニアス・モンク・コンペティションで優勝した逸材。

 静かな夜に一人の時間を満喫する際に聴くにはもってこいの素敵すぎるジャズです。単に甘いだけでなくて、ジャズ本来のスリルのあるところが渋いのですね。繊細で多彩な技能と歌心で華があり聴衆を決して飽きさせません。

 ピアノのないベースとドラムのトリオ演奏の方がより自由な演奏ができるのでしょう。ジェシのギターが全編に渡って縦横無尽に歌います。そういう意味で最高のパーフォーマンスが繰り広げられているのです。

 全8曲。選曲もいいですね。1曲目にエリントン「極東組曲」から佳曲 Isfahan がくるところが凄いですね。ビル・チャーラップのアルバムでも取り上げられていて意外な感じに驚きましたが、ここでのジェシのミディアムテンポの演奏は1番手として実にしっくりとぴたりと嵌っている感じがします。漂う哀愁感とさらりとしたクールさは、ジョニー・ホッジスの麗しいアルトサックスの調べとはまた違った魅力に溢れています。

 どの曲の演奏も素晴らしいの一語に尽きます。もう聞き惚れてしまう類の素敵なギターです。バラッドでは 7曲目 Goodbye がいいです。美しく悲しい調べの中にほのかな光と慰めが感じられます。後半のアドリブ・ラインが渋くてかっこいい。とても癒されます。

 2曲目 Along Came Betty の少しロック調のセンスが現代的な新しさを感じさせてくれます。3曲目 The End of a Love Affair にはギター、ベース、ドラムの3者が一体となった濃密な空間があります。8曲目 Sandu はクリフォード・プラウン作のブルース系の曲。ノリのよいアドリブが冴えています。

1. Isfahan
2. Along Came Betty
3. The End of a Love Affair
4. Detour Ahead
5. Get Out of Town
6. Nobody Else But Me
7. Goodbye
8. Sandu

Jesse van Ruller (g), Frans van der Hoeven (b), Martijn Vink (ds), Jos Machtel (b), Joost van Schaik (ds). Recorded in 2004 at Murphy's Law, Hague, Netherlands.

YouTubeから2004年当時の同様なトリオ演奏をピック・アップしてみました。本CDとよく重なる繊細で美的な演奏です。

詳しくはアマゾンでどうぞ。→ Jesse van Ruller / Live at Murphy's Law

投稿者 Jazz Blogger T : 23:10 | トラックバック

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