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ジェシ・ヴァン・ルーラー/ヨーロピアン・クインテット

JAZZ Guitar 1

2010年10月26日

Jesse van Ruller/Europian Quintet Jesse van Ruller/Europian Quintet

 今夜は素敵なジャズ・ギターです。1972年オランダ生れのギタリスト、ジェシ・ヴァン・ルーラーのデビュー作品。繊細な美意識と渋いジャズ・センスに、出会ったときから私はずっと痺れっぱなしです。好みにぴったりのクールなギター・サウンド。パーソネルは、ジェシ・ヴァン・ルーラー (g)、ジュリアン・ジョゼフ (p)、ニック・タイス (b)、マーク・モンデシー (ds)、ピーター・・ウェニガー (sax)。1996年録音。Blue Music。

 先週末に初めて接してから毎日ジェシ・ヴァン・ルーラーを聞いています。ギター・ジャズってこんなに魅力的だったっけ?と改めて考え直させてくれるほど魅了されています。豊かな表現力、時に躍動するリズム感、美しい和音、綺麗な音色など、実に多彩で奥深いですね。

 ジャズ・ギターの魅力って何だったのでしょうってほんと再考させられます。思い起こせば、バーニー・ケッセルのリズム感のある尽きないアドリブ、ジム・ホールのちょっと暗めなフレーズ、ジョー・パスの静かに燃える渋いガット・ギターの調べ、パット・マルチーノのロック臭のする速弾き、グラント・グリーンの泥臭いけれどノリのよいハード・バップ、ケニー・バレルの粘っこいブルース・フィーリング、ウェス・モンゴメリのクールな和声とイカした音色、など、いろいろ浮かんできますね。

 つまりは、ジェシ・ヴァン・ルーラーは私の好きな過去のジャズ・ギター・ジャイアンツの魅力をほぼすべて持ち合わせているってことなんだと書いているうちにやっと納得しましたですよ。そうなんですね、このオランダのギタリストは私の好みにぴったりの最高のジャズ・ギタリストなのですよ。さすがにヨーロピアンなので、ブルース系グルーヴは希薄なようですが。

 全10曲。20代前半の青年の演奏とは思えないような円熟というか匠が感じられます。特に静かめの演奏がいいです。2曲目 Bewitched はアート・ペッパーの演奏でおなじみの大好きなバラッド。ベースとの静かなデュオは濃いめのアルコールが胃壁に染み込むように心の内奥に深く染み渡ります。渋すぎて痺れます。同じ感覚を味わえるのが、9曲目 You’re my everything のトリオ演奏。こちらは少しアップテンポで明朗。ジェシの音選びと和音選び、その組み合わせ、それに繰り出されるアドリブ・フレーズなど多彩な芸が実にカッコいいんですよ。この演奏を聴くためだけにでもこのCDを入手する価値があると思えるほど素敵です。

1. Debits ‘n Credits
2. Bewitched
3. The Ruler
4. De Poesch
5. I’ll be seeing you
6. Two walk
7. Green’s Greenery
8. Vienna night express
9. You’re my everything
10. This could be the start of something big

Jesse van Ruller (g), Julian Joseph (p), Marc Mondesir (ds), Nic Thys (b), Peter Weniger (sax). Blue Music 1996.

 YouTubeからクールなジェシ・ヴァン・ルーラーのソロ・ギターをフィーチャーした少し風変わりな映像をピックアップしておきましょう。ジェシはルックスもカッコいい好青年イケメン・ミュージシャン。手先の器用なこうしたタイプはさぞかし女性にモテることでしょう。

ジェシのオフィシャル・サイトはこちら。→ jessevanruller.com

詳しくはアマゾンでどうぞ。→ Jesse van Ruller/Europian Quintet

投稿者 Jazz Blogger T : 21:34 | トラックバック

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