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ビートルズ/アンソロジー2

_Popular Music

2005年03月29日

anthology2.jpeg The Beatles/ Anthology 2

 今夜はビートルズを楽しんでいます。この『アンソロジー2』ってご存知でしょうか?実は私つい最近になってこういう作品があることを知りました。中学生の頃に夢中になって聞いたビートルズはこの10年20年くらいはまともに聴いたことがなかったのですね。ですからこんな素敵なアルバムが10年近く前に発売されていたなんてこと自体全く知りませんでした。実はこれ正規に発売されている公式のレコードやCDに収められていない別テイクやライブばかりを集めたビートルズ・ファンには大変に貴重なアルバムなのですね。

 年代別に全部で3枚がリリースされていまして、この『アンソロジー2』は1965年から1968年の中期の『ヘルプ!』『ラバー・ソウル』『リボルバー』『サージェント・ペッパーズ・ロンリー・ハーツクラブバンド』『マジカル・ミステリー・ツアー』に対応するものが集められています。3枚の中では最も聞き応えのある内容だと思います。楽曲は下記に示していますが、同じ曲でもいくつものテイクが収録されていたりして、よく知る最終テイクにいかにしてたどり着いていったかが少し分かるというわけです。

 驚きの連続であるとともに最高に楽しめる内容です。公式のアルバムを相当に聞き込んでいる人ほどそのおもしろみをより感じることができると思います。私の場合は正直言ってジョン・レノンの凄みをいやというほど再認識させられたように思います。基本的にラバー・ソウル辺りからスタジオ録音を中心にした活動になり、いろいろ趣向を凝らした録音を行うことになってゆくわけですね。ポール・マッカートニーの曲では美しいメロディを割とストレートに表現するパターンが多いのですが、ジョン・レノン自作曲ではアレンジが明らかにポイントになっている場合が多いのですね。曲の原型や途中の試行錯誤みたいなものを聴くことが出来ますのでアレンジの変化が如実に示されます。ジョンの才能というのは原曲の持つ独特のニュアンスを個性的なアレンジの妙によりラジカルでありながらとてもイカしたカッコいいものに仕上げるセンスにあるのだなあとつくづく感じたりします。

 全45テイクが納められています。まずは、4の「悲しみをぶっ飛ばせ」でジョンの美声と美しい楽曲に酔いましょう。テイク5ですがほぼ完成されていることが分かります。それに7のポールがギター伴奏のみで歌う「イエスタデイ」を聞きましょう。素朴な味わいで名曲の生の姿を感じることができます。11では同じく「イエスタデイ」のライブ演奏が捉えられています。ジョージ・ハリソンがポールのことをリバプールから出てきた素人のように紹介していますね。14は名曲「ノルウェーの森」です。テイク1とは思えないほど原型がほぼ出来上がっているのがわかります。ジョージのシタールがちょっと耳につく感じがしておもしろいですね。そして、17が大好きな「トゥモロウ・ネバー・ノウズ」。これもテイク1ですか。かなり公式テイクとは異なりますが、すでにジョンの声が機械的にゆがめられており構想がほぼ完成していることがわかります。さすがに凄い創造性に感心です。23の「アイム・オンリー・スリーピング」もテイク1ですでに完成に近いですね。こうしてみてきますとジョンの場合アレンジのアイデアは早い時期から相当に考慮されていることがよくわかります。

 Disc2にはいきなり「ストロベリー・フィールズ・フォーエバー」がデモ、テイク1、テイク7と3バージョンが続きまして、いかにしてあの名曲が出来上がったのかがよく分かるというものです。基本的にはやはりデモとテイク1のレベルですでにアイデアがほぼ固まっているのですね。ほんとジョンの構想力の才には驚きの連続です。テイク7では後半に逆回転テープ採りのイカしたリンゴ・スターのドラムが結構長く録音されていましてさらに例のジョンのクランベリー・ソースというつぶやきも入っていますね。この不思議な世界と次の「ペニー・レイン」の爽やかな出だしの印象は最終盤と同じです。14の「アイ・アム・ザ・ウォルラス」ではテイク16と相当に繰り返していることが分かります。確かに納得が行かなかったのでしょうが、これはこれで最終バーションほどの完成度はないにしてもジョンのボーカルの扱いが十分に先鋭的で魅力的であります。15では「フール・オン・ザ・ヒル」のデモがポールのピアノの弾き語りですね。これも原曲の生の素晴らしさが映えてとてもいいと思いますね。20は大好きな「アクロス・ザ・ユニバース」のテイク2。これもほぼ完成されていましてジョンの素敵な生のボーカルをシンプルなアレンジで聴くことができます。

Disc: 1
1. Real Love
2. Yes It Is - (combination of take 2 and master)
3. I'm Down - (take 1)
4. You've Got To Hide Your Love Away - (take 5, mono)
5. If You've Got Trouble - (previously unreleased)
6. That Means A Lot - (previously unreleased)
7. Yesterday - (take 1, Paul McCartney solo)
8. It's Only Love - (false start and take 2, mono)
9. I Feel Fine - (mono, live)
10. Ticket To Ride - (mono, live)
11. Yesterday - (mono, live)
12. Help! - (mono, live)
13. Everybody's Trying To Be My Baby - (mono, live)
14. Norwegian Wood (This Bird Has Flown) - (take 1)
15. I'm Looking Through You - (alternate take)
16. 12-Bar Original - (previously unreleased)
17. Tomorrow Never Knows - (take 1, "Mark 1")
18. Got To Get You Into My Life - (take 5, mono)
19. And Your Bird Can Sing - (take 2)
20. Taxman - (take 11)
21. Eleanor Rigby - (TRUE instrumental)
22. I'm Only Sleeping - (mono, instrumental rehearsal instrumental)
23. I'm Only Sleeping - (take 1, mono)
24. Rock And Roll Music - (mono, live)
25. She's A Woman - (mono, live)

Disc: 2
1. Strawberry Fields Forever - (mono, demo)
2. Strawberry Fields Forever - (take 1)
3. Strawberry Fields Forever - (take 7, mono)
4. Penny Lane - (alternate mix)
5. Day In The Life, A - (alternate take blend of alternate takes)
6. Good Morning Good Morning - (take 8)
7. Only A Northern Song - (alternate take blend of alternate takes)
8. Being For The Benefit Of Mr. Kite! - (take takes 1 & 2)
9. Being For The Benefit Of Mr. Kite! - (take 7)
10. Lucy In The Sky With Diamonds - (alternate mix)
11. Within You Without You - (TRUE instrumental)
12. Sgt Pepper's Lonely Hearts Club Band (Reprise) - (take 5, mono)
13. You Know My Name (Look Up The Number) - (extended, stereo version)
14. I Am The Walrus - (take 16)
15. Fool On The Hill, The - (mono, Paul McCartney demo)
16. Your Mother Should Know - (take 27)
17. Fool On The Hill, The - (take 4, alternate version)
18. Hello, Goodbye - (take 16)
19. Lady Madonna - (alternate mix)
20. Across The Universe - (take 2)


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