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ベニスに死す/ルキノ・ヴィスコンティ

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2004年08月31日

ベニスに死すベニスに死す/ルキノ・ヴィスコンティ

 こんにちは。今日はヴィスコンティの「ベニスに死す」ですね。官能的な音楽と耽美的な映像と主題でお好みの映画の一つです。ストーリーは、ベニスに保養に来た老作曲家(グスタフ・アッシェンバッハ、グスタフ・マーラーを想定?)がある美少年に出会い、コレラが蔓延する街を去れずに結局死に至るという途方もないおバカの話です。同性愛者ではないかと疑われたトーマス・マンの書いた小説を同性愛者と言われたヴィスコンティが映画化しました。

 マーラーの交響曲第5番第4楽章アダージョが全編に響きわたり、極端なことを言えば、この音楽さえあれば官能的かつ退廃的な映像はそれだけですべて許せるというものですね。美という絶対的なものに対する憧憬は死をも凌駕するという純粋なる耽美的世界観を、美しい音楽と詩的な映像技術で示しえたというところでしょうか。

 主演のダーク・ボガード、ヴィスコンティの映画では常連の渋い2枚目、が化粧までして少年に対峙する哀れさ、死とともに頬に滲む化粧汁の悲惨さをリアルに見せてくれます。セリフのない美少年タジオとその母シルバーナ・マンガーノもいいですね。不思議な映画です。私、同性愛には全くついていけませんが、耽美主義という点では少なからず共感できます。その文脈で言えば、ここは美少女でなく美少年でないと絶対的な美を象徴することはできなかったのだろうな、と思いたいですね。美少女だとエロティシズムが雑音として入り込むことになりますからね。

 それと余談ですが、ホモというのは遺伝子レベルで決められるものらしく、受精卵のときに母体である母親の胎内で決定されるものらしいですね。一卵性双生児の片方がホモの場合、もう一方もホモである確率は異常に高いということが統計的に示されているそうです。

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投稿者 Jazz Blogger T : 10:58 | トラックバック

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