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ニュー・シネマ・パラダイス/ジュゼッペ・トルナト-レ

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2004年12月26日

ニュー・シネマ・パラダイス.jpegニュー・シネマ・パラダイス/ジュゼッペ・トルナト-レ

 こんにちは。今日は名画ニュー・シネマ・パラダイスです。1989年伊仏作品。監督ジュゼッペ・トルナト-レ。出演、フィリップ・ノワレ、ジャック・ペラン、サルヴァトーレ・カシオ、マルコ・レオナルディ、ブリジッド・フォセー、アニェーゼ・ナーノ他。音楽エンリオ・モリコーネ。90年アカデミー外国映画作品賞。シチリアの映画館「パラダイス座」を軸にしたノスタルジックな人間模様を見事に描いた名作です。

 完全オリジナル版(3時間)DVDを昨日自宅で観ました。とてもよかったです。素直にいい映画だと思います。劇場版よりも後半の部分が長くなっていて冗長な感じですが、こちらの方がストーリーが分かりやすいですね。アルフレード(フィリップ・ノワレ)の葬式のために30年ぶりにシチリアに帰ってくるトト(ジャック・ペラン)、そのトトは映画制作者として大成功を収めていますが、30年前に別れたエレナ(ブリジッド・フォセー)と再会することになります。

 意外だったのは、30年前にエレナの居所や伝言をアルフレードがトトに伝えなかったこと、そのために二人は違った運命を歩むことになるのですね。結局アルフレードがトトとエレナの別れを演出したことになります。トトはエレナのことを30年もの間ずっと思い続けて結婚していませんが、一方のエレナは年頃の娘を持つ政治家の妻として幸せな人生を送っているようでした。トトは今一度未来を共にしたいとエレナに申し出るものの現実を抱えたエレナからは断られます。

 また、ラストはトトがアルフレードから死後渡されたフィルムを見るところで終わりますが、そのフィルムの中身は神父(レオポルド・トリエステ)の検閲でカットされた部分をつなぎ合せたキス・シーンでしたね。ニヤリとさせられるシーンの多い映画ですが、この最後の部分もなるほどやられたという感じですね。ユーモアがいっぱいです。ロジェ・バディム監督「素直な悪女」のブリジッド・バルドーの裸体シーンが出てくるところや、映画を見ている老人が暗記したセリフを涙を流しながらつぶやくシーンなどもユーモラスでした。

 トトのシチリア滞在中に役目を終えたパラダイス座を取り壊して駐車場にするという象徴的な挿入話もあります。まあいろいろ複線はありますが基調は大衆映画を上映するある田舎町の映画館の消長を通して時代の移り変わりと人間模様を浮き彫りにした美しい物語です。そして、映画が娯楽の中心にあった古き良き時代へのノスタルジー、その映画と映画館に対する暖かい眼差しを感じる作品なのですね。監督のジュゼッペ・トルナト-レ監督自身シチリア出身とのこと。主人公のトトに重なる部分がかなりあるのではと連想させます。また、エンリオ・モリコーネの哀愁のある主題曲メロディーが全編に流れます。甘いメロディーです。あまりに多用されますので全体的に少しムードに流されるのは否めません。

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投稿者 Jazz Blogger T : 10:47 | トラックバック

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