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アリーチェ・リチャルディ/カムズ・ラブ

JAZZ Vocal 2

2012年01月30日

Alice_Ricciardi_Comes_Love Alice Ricciardi / Comes Love

 21世紀イタリアのジャズがマイブームです。今日はミラノ出身の女性ヴォーカル、アリーチェ・リチャルディの Blue Note デビュー作。ハイレべルの実力派。しっとりとした個性的な歌唱は大物の雰囲気。パーソネルは、アリーチェ・リチャルディ (vo)、ロベルト・タレンツィ(p)、マルコ・ボヴィ (g)、パオロ・ベネディティーニ、ニール・マイナー (b)、ウィル・テリル (ds)、ガエターノ・パルティピロ (as,fl)、ファブリツィオ・ボッソ (tp)他。Blue Note。2006-07年NYC&Uboldo録音。

 アリーチェ・リチャルディ (1975〜) の歌声を初めて耳にしたのは、彼女が2曲だけ参加したニコラ・コンテのアルバム Rittuals です。少しくぐもったスモーキーヴォイスが印象的でした。早速に続けて評判の本作を聞いたのですが、かなり異なった印象を抱きました。

 まず驚いたのが、アリーチェはあのカーメン・マクレエにとても似ているということです。カーメン・マクレエの歌唱は独特なもので、よく似た歌い方をする人は稀なので、最初はその意外性に驚きました。特にバラッドでは類似性が高いと思います。確かにアリーチェ自身が影響を受けた歌手として挙げている中に、マクレエの名があり、まあ納得なのですが。ちなみに、他には、ビリー・ホリデイ、シャーリー・ホーン、エラ・フィッツジェラルドの名が挙っています。

 メリハリのある中音域、少しくぐもった暖かい高音域、丁寧に言葉を重ねる歌い回し、優しげでしっとりした情感など、まだ若いのにとても落ち着いた雰囲気と確固とした個性が感じられます。名門 Blue Note レーベルからアルバムを出すほどですからその実力はすでに認められているようですね。

 あと、本作の特筆すべきはその音質が私の好みに一致していることです。ヴォーカルの録音はピンからキリまであって、人の歌声を録音によって最もよい形で再現するのは容易でないのだと思います。本作の音は、適度にリバーブが効いており、子音が明確でまろやかな女性の声が素敵に捕えられていると思います。バックの楽器とのバランスもよいです。

 全13曲。ヴォーカル・アルバムとして楽しめる内容です。5曲目が説得力のある歌唱が光るスロー・バラッド。ミディアム・テンポの佳曲7曲目がしなやかで彼女の特徴がよく出ています。イタリア語で歌う13曲目がカンツォーネ風の哀愁が漂いエキゾチックでいい感じ。
 
1. Comes Love
2. Summer Song
3. Give Me The Simple Life
4. I Was Doing Allright (The Goldwyn Follies)
5. I'm Gonna Laugh You Right Out Of My Life
6. Who Cares (As Long As You Care For Me)
7. If I Should Lose You
8. The Boy Next Door
9. I'll Remember April
10. Ghost Of Yesterday
11. Here Lies Love
12. By Myself
13. Le Tue Mani

YouTubeから2008年の映像を引用させていただきましょう。ファブリツィオ・ボッソやルカ・マンヌッツァらとの共演ライブです。場所はイタリアはナポリ。とてもいい感じのジャズ・フィーリングが伝わってきますね。

詳しくはアマゾンでどうぞ。→ Alice Ricciardi / Comes Love

関連エントリはこちら。
 → ニコラ・コンテ/リチュアルズ

投稿者 Jazz Blogger T : 20:36 | トラックバック

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