メイン・ページ > JAZZ Piano 1 > スティーブ・キューン/エクスタシー

スティーブ・キューン/エクスタシー

JAZZ Piano 1

2004年09月29日

スティーブ・キューン/エクスタシー Steve Kuhn/ Ecstasy
 
 こんにちは。今日はジャズ・ピアニスト、スティーヴ・キューンの登場です。現在ではオーソドックスなモダン・ジャズ・ピアニストとして有名になったキューンですが、70年代のデビュー間もない頃はマンフレート・アイヒャーが主催するECMレーベルに所属する知る人ぞ知る耽美派のピアニストでした。エクスタシーというタイトルのこのアルバムは私の大好きなピアノ・ソロ・アルバムです。1974年録音。オスロ。

 70年代のECMといえばひたすらこの種の耽美的音世界を追求しておりある種貴重なレーベルという印象です。現在も活動を続けているようですね。→ECMRecordWebSite
 このエクスタシーというアルバムの1曲目のシルバーという曲を聴いてみてください。まさに究極のピアノ美です。学生時代に4畳半の狭い下宿で何度この曲を聴いたことでしょう。刹那的ではありますが無限大の音空間に浮遊することができます。そして今ここに自分は確かに存在しているのだという至福感に満たされるのでした。当時のキューンのピアノはジャズという範疇ではくくれないもっと自由な音楽です。

1.シルヴァー
2.プレリュード・イン G
3.ウラ
4.ある男の物語~ハリソン・クラブフェザー氏の武勇談
5.ライフズ・バックワード・グランス

5248.jpeg Steve Kuhn/ Trance
 また、ECMに同時期のアルバムとして"トランス"があります。こちらも定評がありまして、耽美的ではありますがエクスタシーよりはジャジーで、しかもエレクトリック・ピアノを弾くキューンを聴くことができます。ここでもシルバーを演奏しています。 パーソネルは、スティーヴ・キューン(p)、スティーヴ・スワロー(b)、ジャック・ディジョネット(ds)、スー・エヴァンス(perc)。74年NY録音。

B00002ZZFV.09.LZZZZZZZ.jpeg Steve Kuhn/ Three Waves
 キューンは66年に初リーダー作"スリー・ウェイブス"(Three Waves)というアルバムを発表しています。スイング感の乏しいジャズではありますが不思議な魅力のあるアルバムでした。ピアノ・トリオ・アルバムとして結構定評があるようです。カーラ・ブレイ作の「アイダ・ルピノ」という有名女優の名を取った1曲目が妙に印象的です。パーソネルは、スティーブ・キューン(p)、スティーブ・スワロー(b)、ピート・ラ・ロッカ(ds)。66年録音。

 キューンの最近の豹変ぶりに、商業的には成功しているのだと思いますが、少し安心するとともに当時の新鮮なピアノを知る者としては残念な気持ちも少なからずあります。
関連するblogをもっと読む → 人気ブログランキング

投稿者 Jazz Blogger T : 21:25 | トラックバック

« エロール・ガーナー/コンサート・バイ・ザ・シー | メイン | デューク・エリントン/ブラック・ブラウン&ベイジュ »

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://dellton.com/cgi/mt/mt-tb.cgi/348

Copyright (C) 2004-2014 MY FAVORITES All Rights Reserved.