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ビートルズ/リボルバー

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2004年09月05日

ビートルズ/リボルバー リボルバー/ザ・ビートルズ
 
 こんにちは。今日はビートルズについて書きましょう。私にとってのビートルズの1枚をよくよく考えて選ぶとすればこのリボルバーになってしまうのですね。ビートルズ・サウンズなるものがあるとすれば、それはラバーソウル、リボルバー、サージェントペッパーズの1965~67年に出されたアルバムが象徴するサウンドなのかなと勝手に思っていますが、それはもし極論が許されるならばジョン・レノンの音楽性の成熟に行き着くのではないかと考えています。

 ポール・マッカートニーは稀代の天才メロディー・メーカーであり、外的環境にあまり影響を受けずとも、例えば、この時期、Yesterday以降、コンスタントに有名メロディー、Michelle、Eleanor Rigby、Here There and Evrywhere、Hey Jude、Penny Rain、などなどを着実に紡ぎ出してゆきますね。まあソウルフルなR&Bもテリトリーとしてありますが。一方、スタイリストであり芸術家であるジョン・レノンの場合は、時代の趨勢であるエレクトリックやサイケデリックなどを巧みに取り入れつつ、ロックにおける先端性と芸術性をいかに体現するかを志向していたように思えます。その結実がこの時期のアルバムに反映されることで、ビートルズ全体としても単なるアイドル・グループから音楽芸術を担うアーティストのレベルにまで達することになると考えるのです。

 前作ラバーソウルで、すでにその兆しは十分に感じられるわけです。例えば、Norwedian Woodはインド楽器シタールをはじめて取り入れたJ・レノンの曲ですが、その後のビートルズ・ライクなサウンドの典型を示しています。リボルバーではそれがさらに深みを増しており、その典型はShe Said She SaidやTomorrow Never Knowsなどに聴かれますが、J・レノンの感性と才気がほとばしるような凄みを感じます。これらの実験的ともいえる試みは、後のLucy in the Sky with DiamondやStrawberry Fieles Foreverなどで一つの極みに達するのでしょうか。I'm Only Sleeping、And Your Bird Can Sing、Doctor Robertらもレノンの軌跡として興味あるものです。

 追加すべきは、ジョージ・ハリスンの貢献があります。前作ラバーソウルで示した美しい曲If I Needed Someoneから、リボルバーではTaxman、Love You To、I Want to Tell Youという各々個性的な3曲を提供しておりその存在感を強めています。また、P・マッカートニーのベースラインの動きも楽曲の多様性に伴い変化のあるものになってきていますが、これもビートルズ・サウンズが高い音楽性を示す要因のひとついえるでしょう。

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投稿者 Jazz Blogger T : 10:09 | トラックバック

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