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ソフロニツキー/スクリャービン・リサイタル

_Classic

2005年02月04日

sofronitsky.jpg Vladimir Sofronitsky / Scriabin Recital

 今日はクラシックからウラジーミル・ソフロニツキーです。「ロシア・ピアニズム名盤選」からの一枚です。ソフロニツキー(1901~61)は日本でこそ知名度は低いものの、ロシアでは1961年の死後40年を経て今なおカリスマ的人気を誇る伝説のピアニスト。本アルバムはソフロニツキーの最も得意としたスクリャービンの作品集2枚組CDです。1959&60年録音。

 ソフロニツキーは演奏活動が国内に限られていたために、ロシア以外では「幻のピアニスト」として謎に包まれつつ、一部の熱狂的な崇拝者たちの間でその名前が語り継がれてきた存在だったようです。ソ連崩壊後、西側でもその録音がリリースされるようになりましたが、日本で最初に紹介されたのは「ソフロニツキー大全集」(CD30枚)というアルバムで1996年の発売です。本作はその5枚からピックアップして再発された2枚組アルバムということになります。

 本アルバムはスタジオ録音とライブ録音でソフロニツキー芸術の最高到達点と呼ぶべき圧倒的な名演奏と言われています。音質もそう悪くはありません。収録曲には、練習曲op.8、練習曲op.42、前奏曲op11、13、16、詩曲op.32、op.52などのお馴染みの名曲が並びます。私は、最近このCDを入手したのですが本当に素晴らしい演奏だと思います。まさに病み付きになるような身体に悪い類の音楽です。

 詩曲op.32-1の臭い立つような美しい響きには魂が打ち震えます。練習曲op.8-12や同op.42-5など流麗な曲での力強さとピアニズムの絶妙のバランス感覚が凄い。それに、アルバムのページop.45-1や練習曲op.8-8、11での官能的な可憐さには唸らされます。いずれの曲にもエクスタシーや官能の美学が込められているのを感じ取れる演奏だと思います。スクリャービンを堪能するには最高の作品の一つに違いありません。

 Voxレーベルのミカエル・ポンティの演奏でいずれも聴ける内容ですが、全く異なる曲と思えるほどにソフロニツキーの演奏には何か特殊なもの、そうスクリャービンが神秘和声で伝えたかった世界を直に肌で触れるように感じることができるとでも言えるのでしょうか。また、ホロビッツの華麗なピアニズムに彩られたスクリャービンの魅力とはまた違った、もっと奥深いもの、そうロシア的な濃厚なロマンと閉ざされた闇とが表現されているように思います。スクリャービンの本質はこちらソフロニツキーの方がより近い距離で捉えられているのかもしれません。

 op.が50番を越える辺りから神秘和音を多用した難解な音楽になってゆきますが、このソフロニツキーの演奏で聴きますとそれほどの違和感を感じさせません。説得力があるというのでしょうか。

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今日は音楽ジャンルで何位になっているでしょうか。

投稿者 Jazz Blogger T : 10:16 | トラックバック

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