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稲盛和夫/生き方ー人間として一番大切なこと

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2004年08月18日

ikikata.jpg「生き方―人間として一番大切なこと」稲盛和夫(著) 価格: ¥1,785 (税込)
単行本: 246 p ; サイズ(cm): 19 x 13  出版社: サンマーク出版 ; ISBN: 4763195433 ; (2004/07)
 京セラやKDDIの創設者として有名な稲盛氏の本です。この方の本は結構多数出版されています。私も何冊かすでに読んでいます。そんな中でこの「生き方」という本は氏の人生観、仕事観、哲学、が凝集された一冊として密度の濃いものとなっています。これまでの本でもすでに書かれていることがいくつもありますし、繰り返しもあると思いますが、贅肉を殺ぎ落とした筋肉質な濃い内容になっているように思います。稲盛哲学のエッセンスというところでしょうか。

 成果=考え方×情熱×才能、という方程式を以前から示されおり、能力も大事だけど情熱の方がもっと大切であること、凡人がパッションを持って精進することで創造や大事を果たせることを強く訴えられています。今回の本では、特に最初の「考え方」の重要性を前面にして正しい人生観や哲学を持つことがすべての大前提であることを強く主張されているように思います。
 宗教、特に仏教とのつながりを著者の他の著作でも感じますが、生き方ということを主題にする本書ではそれほど特有の匂いはありません。個人の考え方や哲学にまで立ち返りますと、宗教観や死生観というものは避けて通れないものです。その宗教観も体験に裏打ちされて自然に培われたもののようですので違和感はほとんど感じません。
 京セラという会社は稲盛氏のカリスマ性が強く、馴染めずに途中退社する人が多いということをどこか何かで聞いたことがありますが、仕事=生き方、とする氏の考え方は職場やビジネスという現実の場面では妥協のないとても厳しいものになるのだと思います。ちょっと穿った見方かもしれませんが、なぜ仕事に打ち込まない、なぜ精励しないのかということが、生き方や考え方がおかしいのではないか、という人間の根源のところにまで疑義が及ぶということにもなりかねないのですから。
 いずれにせよ、この本は、不自由なく充足した生活を容易に享受できる21世紀の日本の社会人一般にとって、まじめにまっとうに生きるということの大切さ、基本となる己の魂と哲学を磨くことの重要性、などについてじっくり考え直すよい機会を与えてくれる、たいへん意義深い著作であると思います。

プロローグ(混迷の時代だからこそ「生き方」を問い直す魂を磨いていくことが、この世を生きる意味 ほか)
第1章 思いを実現させる (求めたものだけが手に入るという人生の法則 寝ても覚めても強烈に思いつづけることが大切 ほか)
第2章 原理原則から考える (人生も経営も原理原則はシンプルがいい 迷ったときの道しるべとなる「生きた哲学」 ほか)
第3章 心を磨き、高める (日本人はなぜその「美しい心」を失ってしまったか リーダーには才よりも徳が求められる ほか)
第4章 利他の心で生きる (托鉢の行をして出会った人の心のあたたかさ 心の持ち方ひとつで地獄は極楽にもなる ほか)
第5章 宇宙の流れと調和する (人生をつかさどる見えざる大きな二つの力 因果応報の法則を知れば運命も変えられる ほか)

稲盛和夫の本



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