イリアーヌのジャズは穏やかで優しいですね。音楽にもきっと人柄がにじみ出るのでしょう、そんな雰囲気を感じさせます。最近私はそんなイリアーヌの音楽に魅せられたのか、CDアルバムを立て続けに6枚ほど入手して愛用のiPodに入れて日常的に聞いています。80年代後半のデビュー作から2000年以降のヴォーカル主体の音楽まで、自分的には、やはり、ボサノヴァ系がお好みで、本作Dreamer(2004年)と Plays Jobim(1989年) の2枚が今のところお気に入りです。どちらもボサノヴァの魅力を再認識させられるような体験であり、ボサノヴァこそ最強の癒し音楽だと確信させられる類のものです。
全11曲。味わい深いアルバムです。秋の夜長にしっぽりと浸れる大人の音楽に違いありません。1曲目、3曲目、5曲目、7曲目、9曲目、11曲目と素敵な演奏が目白押しです。3曲目 Fotografia はジョビンとエリス・レジーナの演奏が有名ですが原曲の美しさを知る人にはイリアーヌのこのさりげない演奏で十分に心地よいのです。5曲目 Samba De Verao ではおなじみのメロディがこんなにも美しい音楽だったっけかなと不思議な気にさせられます。7曲目ミディアムテンポの Tangerine がまた印象的で、途中のイリアーヌのピアノソロが非常にいい感じです。9曲目 Time Alone の静溢で美しい演奏には夢心地のように魅せられます。11曲目はバカラック作の可憐な曲を上品な歌なしボサノヴァに料理していますね。
1. Call Me
2. Baubles, Bangles And Beads
3. Photograph (Fotografia)
4. Movin' Me On
5. So Nice (Samba De Verao)
6. That's All
7. Tangerine
8. Dreamer (Vivo Sonhando)
9. Time Alone
10. Doralice
11. A House Is Not A Home
Eliane Elias (p & v), Guilherme Monteiro (g), Marc Johnson (b), Michael Brecker (ts), Oscar Castro-neves (g), Paulinho Braga (ds & perc), Michael Mainieri, Jr. (vib), Rob Mathes (Orchestral Arrang).
全10曲。20代前半の青年の演奏とは思えないような円熟というか匠が感じられます。特に静かめの演奏がいいです。2曲目 Bewitched はアート・ペッパーの演奏でおなじみの大好きなバラッド。ベースとの静かなデュオは濃いめのアルコールが胃壁に染み込むように心の内奥に深く染み渡ります。渋すぎて痺れます。同じ感覚を味わえるのが、9曲目 You’re my everything のトリオ演奏。こちらは少しアップテンポで明朗。ジェシの音選びと和音選び、その組み合わせ、それに繰り出されるアドリブ・フレーズなど多彩な芸が実にカッコいいんですよ。この演奏を聴くためだけにでもこのCDを入手する価値があると思えるほど素敵です。
1. Debits ‘n Credits
2. Bewitched
3. The Ruler
4. De Poesch
5. I’ll be seeing you
6. Two walk
7. Green’s Greenery
8. Vienna night express
9. You’re my everything
10. This could be the start of something big
Jesse van Ruller (g), Julian Joseph (p), Marc Mondesir (ds), Nic Thys (b), Peter Weniger (sax). Blue Music 1996.